Drive.LNX 事業拡大計画書
レガシーサーバーからの移行による高収益ストックビジネスの構築
起案者: ケーアールジー株式会社 代表取締役 やすひさてっぺい
日付: 2025年11月21日
1. エグゼクティブ・サマリー
本プロジェクトは、株式会社シーポイントが運営する老朽化したレンタルサーバー事業「Drive Network」のサービス終了に伴い、その顧客基盤(約600社)を当社の新サービス「Drive.LNX」へ移行・継承する戦略的事業承継案件です。
本事業の最大の特徴は、既存顧客を引き継ぐため顧客獲得コストがゼロであり、Xserverとの提携による最新インフラへの刷新により、高収益かつ安定したストックビジネスを構築できる点にあります。サービス移行という形式を取るため、通常の新規事業に比べて事業リスクが極めて低く、初年度から安定した収益が見込まれます。
本事業の確実な遂行のため、代表である私自身が自己資金200万円強を投じて万全な体制を構築し、サーバー設備投資にかかる資金調達をお願いするものです。既存顧客への丁寧な移行サポート体制、高度な技術力を持つパートナーチームの確保、そしてXserverの最新インフラによる高品質なサービス提供により、顧客満足度の向上と長期的な収益基盤の確立を実現します。
600
既存顧客基盤
引継ぎ対象企業数
2,500
稼働ドメイン
移行対象サイト数
69%
粗利益率
高収益ビジネス
2. 事業背景とストーリー
課題:老朽化したインフラと事業継続の危機
株式会社シーポイント(代表:野澤氏)が運営する「Drive Network」は、約20年前のサーバーで稼働しており、高額な維持費と老朽化による障害リスクを抱えています。データセンターの設備更新が必要な時期を迎え、莫大な設備投資が避けられない状況に直面しました。
野澤氏は海外拠点が主であり、日本国内での事業継続が困難となったため、2026年1月のサービス終了を決断されました。しかし、600社もの企業が日々のビジネスでこのサーバーを利用しており、突然のサービス終了は多くの企業に深刻な影響を及ぼします。

解決策:信頼できる後継者による受け皿整備
現在利用中の600社・2500ドメインを守るため、野澤氏の愛弟子である私(やすひさ)が受け皿となります。野澤氏との長年の信頼関係により、顧客リストの引継ぎと移行サポートについて全面的な協力を得られることが確約されています。
本プロジェクトは単なる延命ではなく、国内最速・安定の「Xserver」と正式提携し、最新環境「Drive.LNX」へのアップグレード移行を提供します。これにより、既存顧客は最新のセキュリティ対策、高速なサーバー環境、そして充実したサポート体制というメリットを享受できます。顧客にとっては、信頼できる後継サービスへのスムーズな移行という安心感と、サービス品質の向上という二重のメリットが得られる提案となっています。
3. 市場規模とターゲット
移行対象の全体像
既存顧客数
600社
長年にわたり「Drive Network」を利用している企業群。業種は中小企業を中心に多岐にわたります。
稼働ドメイン数
2,500ドメイン
コーポレートサイト、ECサイト、キャンペーンサイトなど、多様なWebサイトが稼働中です。
顧客単価(平均)
3,000円/月
中小企業にとって手頃な価格設定でありながら、安定した収益を生み出します。

本計画のターゲット(見込み)
サービス終了に伴う自然解約を40%と想定し、残りの60%(360社)の獲得を最低目標ラインとします。この想定は、既存サーバー事業の移行事例における業界標準データを参考にしており、保守的かつ現実的な数値設定です。
自然解約40%の内訳としては、既に自社サーバーへの移行を検討していた企業、事業縮小によりWebサイトが不要になった企業、他社への切替を予定していた企業などが含まれます。一方、60%の顧客は継続的なサービス利用を希望しており、信頼できる移行先があれば引き続き利用する意向を持っています。
獲得目標社数
360社
移行ドメイン数
約1,500ドメイン
全体比60%で試算
4. ビジネスモデルと収益構造
収益モデルの概要
売上
月額サーバー利用料(ストック収益
顧客との継続契約により、安定した毎月の収益を確保します。解約率の低いサーバー事業の特性により、長期的な収益予測が可能です。
仕入
Xserver ビジネスパートナー契約(初期費用+年払い
Xserverとの提携により、高品質なインフラを競争力のある価格で調達。初期費用と年払いの構造により、キャッシュフロー管理も明確です。

インフラ設計(原価計算の基礎)
Xserverの高性能サーバーを分割利用し、利益を最大化します。ドメインの分散配置を考慮し、余裕を持った台数を確保することで、トラフィックの増加やメンテナンス時のリスクにも対応可能な盤石な体制を構築します。
1サーバーあたりの収容数
20ドメイン(標準)
パフォーマンスと安定性のバランスを考慮した最適な配分です。
必要サーバー数
80台(必要数75台 + 予備・バッファ5台)
突発的なトラブルや将来の拡張にも対応できる余裕を確保しています。
サーバー原価(ランニング)
4,180円/台/月(年額 50,160円)
業界最高水準のコストパフォーマンスを実現しています。
サーバー初期費用(イニシャル)
16,500円/台(一括のみ)
初期投資は必要ですが、長期的な収益性により十分に回収可能です。
5. 収支計画(年間シミュレーション)
ターゲットである360社(1,500ドメイン)の移行が完了した時点での年間収支予測です。サーバー台数を増やしましたが、依然として69%という高い利益率を維持しています。この数値は、サーバー事業における業界平均(40-50%)を大きく上回る優れた収益性を示しています。
収益性の特徴
  • 安定したストック収益:月額課金モデルにより、予測可能な収益が毎月確保されます。
  • 高い利益率:69%の粗利益率は、長期的な事業成長の原資となります。
  • スケーラビリティ:サーバー追加により、将来的な顧客増加にも柔軟に対応可能です。
  • 低い運営コスト:Xserverのマネージドサービスにより、保守運用の負担が最小化されます。

保守的な試算:本収支計画は、360社(60%)という保守的な移行率を前提としています。実際の移行率がこれを上回る場合、さらに高い収益が見込まれます。また、既存顧客との信頼関係構築により、将来的な単価アップやサービス追加販売の機会も期待できます。
6. 資金計画(総事業費と調達内訳)
本事業を確実に成功させるため、技術体制とサポート体制を盤石にする必要があります。総事業費約880万円のうち、体制強化にかかる費用(約200万円強)は自己資金で賄い、サーバー設備投資にかかる費用について融資をお願い申し上げます。
総事業費:884万円
支出内訳
1
サーバー初期設定費用
132万円
@16,500円 × 80台
サーバー契約時に必須となるイニシャルコストです。Xserverとの契約により、高品質な初期設定とセキュリティ対策が含まれます。
2
初年度サーバー利用料
約402万円
@4,180円 × 80台 × 12ヶ月分(一括払い)
移行の進捗に合わせて順次契約しますが、最大値を確保します。年払いによる割引メリットも享受できます。
3
移行技術費用(外注費)
300万円
パートナー技術者チームによる集中移行作業費。想定以上の難易度や突発的なトラブルにも対応できるよう、予算を確保し万全を期します。データ移行、DNS設定、動作確認など、専門的な作業を確実に実施します。
4
事務局運営・通信費
50万円
既存600社への丁寧な案内(郵送・電話フォロー)および問い合わせ対応体制の強化費用。顧客満足度を最優先し、スムーズな移行を実現します。

調達内訳
自己資金
214万円
技術費・運営費の一部・サーバー増強分を充当
代表自らが事業にコミットする姿勢を示し、リスクを共有します。
借入希望額
670万円
サーバー設備投資費用として
インフラ整備に集中投資し、高品質なサービス基盤を確立します。

資金使途の透明性:調達資金は全てサーバー設備投資に充当され、明確な資産形成につながります。自己資金による体制強化費用の負担により、事業リスクを最小化し、確実な収益化を実現します。
7. 投資家(融資元)へのリターン・返済計画
借入額は670万円とし、自己資金投入により事業の安全性を高めています。サーバー台数を増やして余裕を持たせましたが、高い収益性により返済能力に問題はありません。以下の返済シミュレーションは、保守的な収益見込みに基づいており、実現可能性の高い計画です。
返済シミュレーション
借入希望額
670万円
サーバー設備投資に特化した資金使途
金利(年利)
6.0%
市場金利を考慮した高水準金利
返済期間
2年(24回払い)
短期間での完済により利息負担を最小化
返済方法
元利均等返済
毎月一定額の返済で計画的な資金管理

返済能力の証明
サーバーを80台に増強しても、返済期間中に毎月約45万円のキャッシュフローが残り、安定した経営が可能です。この手残り資金は、運転資金の確保、追加投資、または不測の事態、サーバー更新への備えとして活用できます。
2年後の完済以降は、月間約75万円の利益を生み出す収益の柱となり、当社の財務基盤を大きく強化します。この利益は、新規事業への投資、既存サービスの拡充、または株主還元に充てることができます。

安全マージンの確保:本返済計画は、移行率60%という保守的な前提に基づいています。実際の移行率がこれを上回る場合、さらに余裕のある返済が可能となります。また、サーバー台数に予備を含めているため、収益の下振れリスクも最小限に抑えられています。
8. 今後のスケジュール
本プロジェクトは以下のスケジュールで、迅速かつ確実に遂行します。各フェーズにおいて明確なマイルストーンを設定し、進捗管理を徹底することで、予定通りの移行完了を実現します。
1
2025年10月初旬
移行案内の一斉告知開始
既存600社へ「サービス終了」と新プラン(Drive.LNX)への「移行案内」を一斉告知開始。丁寧な説明資料と移行手順書を送付し、顧客の不安を解消します。専用のコールセンターを設置し、問い合わせに即座に対応します。
2
2025年11月下旬
資金調達完了・本格準備開始
  • 資金調達完了。融資実行により、サーバー契約と技術チーム確保の準備が整います。
  • 技術パートナーとの正式契約締結(自己資金より着手金支払い)。経験豊富なエンジニアチームを確保し、移行作業の品質を保証します。
  • ドメイン移管手続きの開始、先行希望者のサーバー移管開始。早期移行を希望する顧客から順次対応し、ノウハウを蓄積します。
3
2025年12月上旬~
集中移行期間・ピーク対応
順次サーバー契約・データ移行の本格実施(強化された技術チーム稼働)。移行ピーク対応として、複数の技術者が並行して作業を進め、効率的に移行を完了させます。24時間体制のサポート窓口を設置し、顧客からの問い合わせに即座に対応します。移行完了後の動作確認を徹底し、サービス品質を保証します。
4
2026年01月
旧サービス停止・新サービス本格稼働
  • 旧Drive Network 完全停止。全ての顧客が新環境へ移行完了し、安心してサービスを利用できる状態になります。
  • Drive.LNX 本格稼働(移行完了、課金開始)。安定した収益の計上が開始され、返済計画がスタートします。

リスク管理とバックアッププラン:スケジュール通りに進まない場合に備え、各フェーズにバッファ期間を設けています。また、技術的な問題が発生した場合の緊急対応体制も整備し、顧客への影響を最小限に抑えます。野澤氏との密接な連携により、旧サービスの延長も視野に入れた柔軟な対応が可能です。
9. 結び
本案件は、600社の顧客のWeb環境を守る社会的責任のあるプロジェクトです。単なる事業承継ではなく、長年サービスを利用してきた企業の信頼に応え、さらに高品質なサービスを提供することで、顧客満足度の向上と地域経済の発展に貢献します。
私自身も自己資金200万円強を投じて退路を断ち、本事業の成功にコミットしております。これは単なる金銭的な投資ではなく、事業に対する強い覚悟と責任感の表れです。最新のXserver環境(余裕を持った80台体制)と万全の技術体制で安全かつ迅速な移行を実現し、当社の強固な収益基盤を確立します。
本プロジェクトの成功により、当社は年間約900万円の粗利益を生み出す安定した事業基盤を獲得します。これは、今後の事業拡大や新規サービス開発の原資となり、持続的な成長を支える柱となります。
確実性
既存顧客基盤の引継ぎにより、通常の新規事業と比較してリスクが極めて低い事業構造です。
収益性
69%の高い粗利益率を誇り、返済後は月間75万円の安定収益を生み出します。
社会性
600社のビジネスを守り、安心してWebサービスを利用できる環境を提供します。
成長性
安定した収益基盤を活かし、将来的なサービス拡充や新規事業展開も可能です。
貴機関におかれましては、本事業計画の社会的意義と収益性をご理解いただき、670万円のご融資をご検討いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。本プロジェクトは、顧客、当社、そして投資家の皆様にとって、三方良しの価値を創出する事業であると確信しております。
ケーアールジー株式会社 代表取締役 やすひさてっぺい